「温故創新」230707 N1230 伊波喜一

汗かかず 生まれながらの ユーザーで 生くる証を 五体を使い  

 日中の陽射しでクラクラする。暑さをかわしながら、時を稼ぐ。

 昨年は参院選、一昨年は都議選があり、夏を駆けていた。日中の暑さは相当なもので、体力を消耗した。その教訓から、出来るだけ疲れを溜めないようにし、身体を長持ちさせなくてはと思っている。

 実家のリノベで、職人さん達が汗水流して工事をしてくれている。床下に潜って配管をし、梯子に乗って外壁のコンクリート仕上げをする。内装も床を剥がし、壁を仕切り直し、クロスを張り替える。

 電気の配線から照明の設置など、全て手作業である。クリック1つで仕上がるものは、何一つない。

 不登校や引きこもりの若年化、そして長期化が顕著になっている。半世紀前には、話題にのぼらなかったが、4半世紀前からその萌芽が見られ、今では増加の一途をたどっている。

 昼夜逆転してゲームの世界に生きている人も多く、生活実感がなくなってゆく。ゲームではクリック一つで主役になれるが、現実世界ではそうはいかない。汗水たらさなければ、物事は進んでゆかない。

 相手を気遣い、相手の元へ足を運んだ分しか、こちらの思いは伝わらない。このリアル感こそ、生きている実感である。人それぞれに生き方があるように、人生に近道はない。紆余曲折を辿りながら、その時点でリアルを求めて生きているのが、人ではなかろうか。

 多少の苦労はあろうが、額に汗した分だけ人生は色どりを増すのだ。