災害の リスク軽減 分散化 供給網の 多極化必須
広島の81年がめぐってきた。静穏の木立ちの中から突然姿を現す原爆ドームは、無惨な姿をさらけ出して、人が人を殺めることの悲惨と愚かを語りかけている。継承するのは、今世の使命であり役目だ。
熊本県で起きた地震により、県内に集積する半導体工場への影響が長期化する懸念が高まっている。半導体受託生産の世界最大手、台湾電路製造(TSMC)の熊本工場(菊陽町)は、通常生産に戻っていない。建物の安全を確認し、水や電力の供給も確保できているが、「揺れが続いているため、装置の調整に一定の時間を要する」そうだ。
半導体は、清潔な環境での微細な加工が必要である。そのため、設備の点検を経て通常生産に戻すには、慎重な確認が必要となる。
ルネサンスエロクトロ二クスは、自動車向けのマイコンを手がけている。天井パネルの落下や漏水などの被害があり、錦町と熊本市の工場に影響が出ている。半導体同様にマイコンのような精密機器も、水や空調、振動や電力の微細なコントロールが不可欠である。
そのため、これらの安定した供給が不可欠で、自然災害の影響を出来得る限り受けない立地を選んで、工場が建設されている。それでも自然災害は容赦なく起こることを考えると、災害のリスクを軽減するために、供給網の分散化が避けられない。あわせて、日本の成長産業の多極化を検討し、決定していく必然性があろう。
国の成長戦略がその芽を吸い上げるものである事は、論を待たない。