世界初 SNSを 禁止せん 悪影響を 未然に防ぐと
あれだけ落ちていた木の葉も、やっと収まってきた。風に吹き寄せられて、駐車場の隅にはフワフワした埃が溜まってくる。空気が乾燥しているせいか、喉がイガイガする。小まめな水分摂取が必要だ。
オーストラリア議会上院は、16歳未満の子どもがSNSを使えないようにする法案を賛成多数で可決した。連邦総督の裁可を経て、近く成立する。国家レベルで子どものSNS利用を禁じるのは、世界初となる。保護者の同意があっても、認めないとしている。
違反業者に対しても、最大4950万豪㌦(約50億円)の制裁金を科すとしている。政府の本気度が伝わってくる。
日本の学校教育では情報リテラシーなど、情報についての基礎知識とマナーなどを教えている。ただ、現今の情報洪水の中では、情報の海に溺れてしまいがちとなる。
何と言っても、SNS上の情報は生々しく、刺激的である。そのため、青少年の理解や判断能力を超えた事件や戦争などの残虐さは、青少年の心に無数の傷を負わせてしまう。そして、青年期に至るまでのトラウマは、深い傷となって子どもの生涯に及びかねない。
今回豪州政府がこのような決断をした事は、豪州の将来を開き、希望を灯す因となろう。国家の体系と言えど、人材育成に勝るものはない。それこそ、百年の計である。豪州政治の倫理観や目的、そして民衆のモラルや教育観を、日本は是非とも見習ってゆきたい。