「温故創新」240426 N1416伊波喜一

便利さを 追求・開発 微小プラ 卒中・梗塞 原因たるか 

 朝方にやっと雨が止んだ。クスノキの近くを、蜻蛉がたくさん飛んでいる。産卵の時期でもないだろうに、不思議な光景だ。

 イタリアなどの研究チームは、頸動脈疾患の患者257人の血管に出来たプラーク(塊)を切除して分析した。その結果、6割から直径5㍉以下の「マイクロプラスチック」などの微小プラが検出された。

 検出されたグループは検出されなかったグループに比べ、脳卒中心筋梗塞を発症したり死亡するリスクが4倍超だった。

 研究では微小プラと疾患との因果関係は、明らかになっていない。因果関係は明らかになっていないものの、何らかの影響を受けていると考えられるだろう。

 微小プラは人間の生活を利便化し、なくてはならないものとなっている。それが生活雑排で水に溶けると、誰にも気づかれずに水を汚染する。海洋プラが魚介類の胃袋に溜まり、食物連鎖を引き起こしている事例は枚挙に暇がない。

 水がなければ、生物は生きていくことが出来ない。必要不可欠な水に混ざり込んだ微小プラが静かに私達の体に入り込み、いつの間にか血管を詰まらせ、死に至らしめる。まるでホラーのような話である。

 これまでこの事を、私達は他人事として捉えてきた。しかし、便利さと引きかえに環境の安全をないがしろにしたら、ツケが全て後の世代に回ってくる.。これほど無責任な話もあるまい。