「温故創新」220910 N1108 伊波喜一

呼吸器は 病原体の 侵入を 防ぐ機能よ 前線基地と         

 朝夕が涼しい。夜風が肌寒くて、薄手のかけものがないと、風邪を引いてしまいそうだ。

 普段、私達は何気なく呼吸している。呼吸の数は、一日に2万回以上と言われ、1万4400㍑もの膨大な空気を取り込んでいる。

 喉と肺とは深く関連している。肺炎は近年、日本人の死因の3位と高い割合を占めている。特に80代の高齢者の肺炎患者の約8割が、誤嚥性肺炎である。

 この肺の機能が衰えると、生活することが困難になる。コロナの重症患者が肺機能を侵されたことからも分かるように、肺の機能が衰えることは致命的なダメージとなる。

 その肺を鍛えるには、腹式呼吸と併せて音読やおしゃべりが有効である。声を出すことで喉の筋肉を鍛えられ、誤嚥性肺炎を防げる。また、脳の活性化につながる。日常の勤行や唱題を続けることは、その点でも理に適っている。

 古代インドでは古来、人間の体は「地」「水」「火」「風」の4つの要素が和合すると捉えてきた。「風」は呼吸や新陳代謝を表わす。

 この風が乱れると、気胸や肺梗塞、肺疾患、低酸素状態の症状が出る。コロナ下ではまさに、これらの症状が重なり合って重症化した。

 喉や肺の働きを最大限活かすためには、細心の注意を払って心身のリズムを整えていかなくてはならない。