「温故創新」230629 N1228 伊波喜一

先祖等が 大切な水 守らんと 天水・井戸水 無駄なく使う 

 沖縄は梅雨が明けた。陽射しがたまらなく暑い。肌を刺すような暑さである。kapok(カポック)の岡戸さん、渡久地さんと、実家平屋のリノベーションの確認と点検をした。 

 当初は4月1日に工期が始まり、6月末日に工期が終わる予定だったが、大幅に遅れている。というのも、水道管が複雑に張っていて、それらを探すのに時間がかかったからだ。

 実家にほぼ隣接した形で、コンクリート屋が建っている。これは、祖母の介護用に建てられた。実家と生活を共にするため、水道栓は1つのままで、そこから分岐させて管を引いている。

 この水道管の他に、井戸水と天水の管も張っている。父母は飲み水用には水道を、一部トイレには井戸水を、庭木や畑用には天水を使うなど、水を有効利用していた。

 半世紀も前、井戸は村が協働で各戸に掘り進めていた。当初は手桶で汲んでいたが、後にモーターで汲みあげるようになった。この5年余り使っていなかったが、覗くときれいな水が豊富に湧いていた。

 天水用のタンクも「断水」に備えて、作ったものだ。筆者が小学生の頃、夏の断水は風物詩だった。水をポリバケツに溜めて、節約しながら使っていた。風呂の代わりに、体を拭いた。戦前生まれの父と母はそういうことも考えて、SDGsの水利用をしたのかも知れない。

 水道管をめぐる父母の思いが分かり、実家にまた愛着がわいた。