「温故創新」200611 N452 伊波喜一

梅雨入りに 大風吹くや 先駆けて 職人達に 陽(ひ)照りつける      

 今晩から東京も梅雨入りする。

 その先駆けか、朝から風が強い。湿り気を帯びていて、動かなくても汗が滲み出る。 

 家の前の下水管工事で、職人達が朝から道路を掘り返している。

 このあたりは元々、畑だったところを開発しているため、地盤が緩い。そのため道路の下に埋設している下水管が下がり、それに引っ張られて道路も下がり気味になった。 

 以前も工事したが、今回は排水用のL字構も取り換えることとなった。工期はほぼ一ト月で、その間職人達が作業を続けている。 

 今日は梅雨入り前で湿度が高く、朝の時点で80%もあった。おまけに陽が照りつけて、戸外は耐えられない暑さだ。

 そんな中を、職人達が手際よく作業している。

 掘削機やカッター、圧縮機(プレス)、ローラーを巧みに使っている。音もほこりも舞う中で、黙々と力仕事をしている。 

 この暑さと湿度である。まめに給水しながら、作業を続けていた。  

 あいにく昼過ぎから雨が降り出し、作業は中断となった。

 もう少しで本管の埋設も終わりそうだっただけに残念に思ったが、急激な暑さと闘いながら働く職人達にとっては、いい塩梅に骨休みとなることだろう。 

 きっとこれは、天から職人達への労いだったに違いない。