「温故創新」200609 N450 伊波喜一

自らの 心の声に 従いて 人と比べること 無意味かと      

 朝から陽が射している。日中は31℃になるとのことだ。夏に向けて暑さに体を慣らしてゆきたい。 

  コロナの影響で店を再開したものの客足が戻らず、閉店に追い込まれる外食産業が200店舗にのぼる。

 弁当は売れ行きが好調で、家に持ち帰って食べるスタイルにスライドしている。これまでとはちょっと違うライフスタイルを、それぞれが志向し始めている。 

  大量生産・消費の是非はこれまでにも言われてきたが、ライフスタイルを変えるまでには至らなかった。 

 しかし、コロナの前後で私達の消費サイクルは変わった。消費するスタイルより、物や事柄を大切にする生活のしかた。

 ひいては、それが人と人との付き合い方にまで発展し、家族や身近な人との交流に意義を見出し始めている。 

 再開した個人事業主の中には、伝統の味を引き継いでいる店がある。筆者も先般、品川まで足を延ばした。モツの煮込み店だが、この三ヶ月は客足がぱたと途絶えた。先代から引き継いだ暖簾を守り通すことがいかに大変なことか、身に染みたとのことだ。

 それでも、伝統の味を守り通す覚悟でいくならば、いつか必ず客は戻ってくる。このピンチを自らを深く掘り下げる機会だと捉え、艱難を乗り越えてほしい。