「温故創新」191025 N340 伊波喜一

入念な 打ち合わせなく 決めてゆく IOCの 考え如何

 2020年東京五輪のマラソン、徒歩競技会場を札幌市に移す案で、IOCと東京都が揉めている。国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は「決定権限はIOCにあり、すでに意思決定はされた。五輪憲章に基づき、常に選手の健康を優先して決定をする」と述べた。一方、小池都知事は「札幌市が最終決定とは聞いていないので、引き続きIOCに対し、東京開催を訴えていく」と話している。 そもそも、盛夏の東京で開催すると決定したことから、この問題が生じているのは周知の事実だ。放映権をめぐり、プロバスケットボールメジャーリーグ等の開催時期と五輪開催時期をずらし、7・8月開催を選択した。この時点で、IOCも暑さが日本開催のネックになることは分かっていた筈である。今になって「選手の健康を最優先する」とは、何事かと言わざるを得ない。「焼け石に水」との論調もある中、東京都はミスト対策など出来る限りの努力をしている。札幌市に会場を移すのであれば、もっと早めに決断すべきであろう。 五輪開催まであと9ヶ月。選手達が競技に集中できるよう、人的・物的環境整備をしてゆきたい。