「温故創新」191025 N339 伊波喜一

次世代に わたるビジョンを 描きつつ 世界と共に 復興発展 

 なぜ、平成は失われた30年になってしまったのか。それは次世代にわたるビジョンが描けなかったからだ。差別・分断・束縛・エゴ・戦争の時代から、人道・連帯・教育・福祉・平和の時代へと明確なビジョンを持って国造りを目指さなかったツケが、ここにきて露呈している。 1990年当時GDPで日本の後塵を拝していた中国には、3倍弱の差をつけられてしまった。それは大学進学率や海外への留学数の減少にもはっきりと現れている。未知に挑戦していく気概が、薄れているように感じられる。それは、日本の将来像が若者達に描けないことが影響している。加えて、ここのところ風水害による国土被害は尋常ではない。改めて、国土の強靱化と同時に防災の観点からも、限界集落や河川域の住環境、自然災害の影響を直接にこうむる農林水産業のあり方を、早急にプランニングしていく必要がある。また、乳幼児から高齢者までの手厚い保護についても、限られた予算をどう使っていくのか、国民に周知していくべきであろう。 国家50年の大計に立ち、どういう国造りをし、どの分野にどの程度の予算を割くか、国民が意思決定する時が来ている。