「温故創新」210129 N651 伊波喜一

ワクチンの 供給巡る 攻防が 技術蓄積 不時に備えん       

 雨が降り出したら、いつの間にか雪に変わった。

 昨日の霙(みぞれ)には驚いた。今朝は晴れ間が覗き、穏やかだ。午後から猛烈に風が吹くというのが、信じられない。 

 英製薬大手アストラゼネカが日本に提供するワクチンが、日本の製薬会社JCRファーマで製造される。9000万回分(4500万人分)を、国内で生産する。

 アストラゼネカはJCRファーマと業務委託契約を締結し、技術移管を行い、ワクチンの原液を製造する。 

 日本政府は米製薬大手ファイザーから7200万人分、米バイオ医薬品企業からも2500万人分の供与を受ける。いずれも、海外で製造したものを輸入する形となる。 

 今、世界ではワクチンの苛烈な供給合戦となっている。製薬大手が開発と供給を一手に握り、自国の成長戦略に位置づけている。このワクチン外交を通して、各国の生殺与奪を押さえる。 

 世界ではコロナ禍のような有事に備えて、着々と準備をしてきた。それは、研究開発にかける予算や規模からも分かる。その点、日本は後塵を拝している。 

 今回、ワクチンの原液を製造することで、ノウハウを獲得できる。政府はワクチン開発を国家長期戦略に位置づけ、今後起こりうる不時のパンデミックに対応してゆきたい。