「温故創新」210524 N766 伊波喜一

ワクチンの 国産目指し 安定を 来年供給 早期開発          

 庭のアジサイが色づき始めた。先週は雨続きだったが、アジサイにとって甘露の恵みであろう。 

 アメリカ・モデルナ社製とイギリス・アストラゼネカ社製のワクチンが、正式に国内承認された。今日からワクチンの集団接種も始まる。

 課題はワクチンの国産化である。

 医療の安全保障面からは、ワクチンの安定供給とともに、変異株発生への対策が打てる。財政面では国産ワクチンの収益は法人税となり、国庫に還元される。国際貢献面では医療・健康支援への実績と信頼の上から、東南アジアでは日本製ワクチンの供給を求めている。 

 現在、安全性や有効性を確認する初期段階の治験(第1相、第2相の臨床試験)を進めている。ところが最終段階の治験(第3相)で、足踏みしている。

 最終段階では、2万人に開発中のワクチン接種する。併せて2万人に偽薬を投与し、双方の感染状況を比較しながら効果と安全性を確かめる。

 感染者数が少ない日本は、治験を実施する国との協力が欠かせない。ODAを活かした国際共同治験支援を行うなど、政府がイニシアチブを取るべきである。 

 与党の公明は「他の検証試験での代替」も提言している。新しい試験方法が見つかると、検証に弾みがつこう。