「温故創新」210903 N868 伊波喜一

突然の 辞任発表 唖然とし 後継ぐ人は 火中の栗か  

 細かい雨が降り続いている。裏のプランターのゴーヤーが、1本垂れている。雨に打たれてぶら下がっているのを見ると、何だか侘しい。

 菅義偉首相が、自民党総裁選不出馬を表明した。事実上の退陣宣言である。コロナの沈静化と経済活動の再開、この2本立てを成功させるのは至難である。「Go To トラベル」や「オリパラ」実施が批判されるが、事はそう単純ではない。

 ワクチンの接種が進み、集団免疫が浸透するまでには、相当の年月がかかる。その前提で進むべき国の指針を示し、国民を納得させることが出来なかった事が、菅政権の命取りとなった。

 専門家の知見や国民の声に耳を傾け、総理自らの言葉で語っていれば状況は違っていただろう。

 仮に野党が政権の座にあったとしても、現今の舵取りは先ず出来ない。与党の政策に文句を言うだけなら簡単である。理想論なら誰でも言える。だが、理想論をかざすだけでは、生活は何も変わらない。

 限られた期日と予算の中で、危急存亡の対応をしているのは一体誰なのか、国民はよく見ている。

 昨年、勝ち馬に乗って菅総理を担いだ自民党から、今回6名もの総裁選立候補者が出る。庶民の生活が目に入らず、政争に現を抜かすようでは、それこそ国民に見限られるだろう。

 誠実で言行一致の人物を選べるかどうか、自民党は岐路に立つ。