「温故創新」191204 N355 伊波喜一

 今ここに ある生活を 生かしつつ 変化取り入れ 共に栄えん

 どうしようか迷っていたが、思い切って実家の畳を張り替えた。京都で住み込んで修行したという畳職人の腕は確かで、毛羽だっていたのが足にサラッとする。この感覚がたまらない。本畳は編み方がザックリとしていて、畳の表面が足にごしごし当たる。芯があるので固くて重いが、踏んだときに足をはね返す反発力が心地よい。イスの生活に慣れ親しんでいても、私達の遺伝子の中には、畳の匂いや肌触り、踏み心地が残っているのだろう。快・不快を感じるセンサーが働くようだ。 実家のある村を車で回ってみた。大通りから中に入ると、細い道や曲がりくねった裏道、行き止まりがあったりとなかなか面白い。人通りのない辺鄙なところで花を栽培しているかと思えば、びっくりするぐらい大きな家が建っていたりと、今まで思いもしなかった表情を村は見せる。表通りからは窺い知れない表情だ。 リノベーションが見直されている。不便で流行遅れだと思われている事や物の価値を見直していくことは、私達の見方や考え方をフラットにしてくれる。イノベーションを上手に取り入れながら、自身の生活スタイルを大事にしていける日本でありたい。