「温故創新」221211 N1143 伊波喜一

毎日を 時間に追われ 生きていく 人生の価値 人と関わり

慌ただしく一日が過ぎていく。足かけ3年にもわたるコロナ下での不自由な生活から一転し、今年の暮れは行動制限がかからないようだ。そのせいか、クリスマス商戦も正月商戦も、好調な売り上げのようである。

 おせちも高級な品が売れている。手間暇かけて作るのは大変だ。最低限のものだけ家庭では作り、残りは購入するというやり方にシフトしている。手間をかけて作っても、たいらげるのはあっという間だ。

 それに、片付けもある。それならばと、お金を出してでも時間と手間を買った方が良い。忙しい今どきの人がそう考え、実行するのは止むを得ないことだ。

 筆者の子ども時代は村全体で餅をつき、それを配っていた。平成に入ってからも、自治会や学校で餅をついたり、うどんを打ったりしていた。が、コロナの影響もあり、とんと姿を見なくなった。

 行事一つとっても、人と関わり何かを成し遂げていくことはエネルギーを必要とする。相談したり企画したり、あれこれ調整しながら進めざるを得ない。おまけに、全てがこちらの思い通りになるものでもない。あっちに頭を下げ、こっちに気遣いしながらやらなくてはならない。手間と言えば手間だし、面倒といえば面倒である。

 しかし、だからこそ人との関わりも深くなる。その手間を避けては成り立っていかないのが、世の中というものではなかろうか。