「温故創新」221219 N1144 伊波喜一

外交の とりで築かん 平和裡に 互いを利する 共存共栄

小平の夜は冷え込む。夜はマイナス3度にもなる。健康のために、駅までの往復50分を歩いている。が、手がかじかみ、耳が痛い。 

 今、日本の外交能力が問われている。日米安保の傘の下で、日本は77年を生き延びてきた。当時と異なり、中国が大国化して覇権を唱えている。貿易力も軍事力も突出し、回りの国々を膝下に置こうとしている。

 そのさなか、安保関連3文書が閣議決定された。十分な説明がなされているとは言い難い状況の中で、GDP(国内総生産)比2%いうのはいかにも唐突に感じる。

 侵略と敗戦という歴史的な背景を持つ日本は、専守防衛という独自性と日米安保で国を守ってきた。日本だけで中国、北朝鮮、ロシアの横暴を抑止することは出来ない。その上で、周辺諸国を刺激しないよう、専守防衛という「盾」の役割を貫いてきた。したがって今後、回りの国々に理解を求めると同時に関係を築き直し、どう有事に備えていく体制を構築出来るかが外交の骨子となる。

 米国式の力づくの外交は、敵を作るだけである。これは歴史が証明している。したがって、相手の立場や状況を加味しながら、互いに生き残る道を模索していくことが基盤となる。

 経済や軍事の視点に偏らず、宗教、文化、芸術、学問などに視点を当てて地道に外交を積み重ねていくことが、日本に求められている。