TPP 加盟めぐりて 中国と 台湾爭う 調停いかに
南の方では台風が2個も発生している。米や野菜・果物などの収穫はこれからがたけなわである。農産物に大きな被害がないことを祈るばかりだ。
台湾が22日、TPPへの加盟を申請した。16日に申請したばかりの中国は、猛反発をしている。中国は「1つの中国」を標榜しており、台湾の申請を認めていない。
TPP加盟に当たっては、加盟国が1国でも反対すれば入れない。TPPの議長国は日本であり、日本は台湾の申請を歓迎している。
茂木外相は「台湾は基本的価値観を共有し、密接な経済関係を有する極めて重要なパートナー」とコメントした。
先頃、中国は米国と歩調を合わせるがごとく、脱炭素化に舵を切った。長引く経済摩擦は、双方に害をもたらすだけで、何の益にもならない。そのことをよく分かっているのは、両国である。
米中の経済関係は密接で、日本の数倍規模もある。水面下で中国から米国へ働きかけがない、と考える方がむしろ不自然ではなかろうか。
日本は外交網を駆使して、各国が台湾を受け入れやすい下地作りをしていかなくてはならない。さもないと大国に上手に骨ぬきにされ、簡単に足元をすくわれてしまう。
経済や軍事の視点だけで外交を推し量ろうとすると、事の本質を見誤る。政府は学術・文化の視点から、中台の仲立ちをしてゆきたい。