英国の 新規加入で 拡大の TPPの 気運盛り上げ
抜けるように空が高い。わずかに風が吹いているだけだが、肌寒い。立春がもうすぐである。
英政府は環太平洋連携協定(TPP)への参加を、正式表明した。発足メンバー以外の国による新規加入は、初となる。日本が主導したTPPが、拡大に向けて動き出した。
英国は昨年1月末に、欧州連合(EU)から離脱した。
金融や流通、移民を含めた労働力確保など様々な意見が飛び交う中、ジョンソン首相は決断した。これで、英国は独自の通商政策を進められることになった。
TPPには中国や韓国、タイなども参加を表明している。米国の復帰も取り沙汰されている。
それだけ、経済・労働人口・教育・資源に恵まれたアジア地域は、発展性がある証拠である。
参加国合計の国内総生産(GDP)は、世界全体の13%を占める。ここに世界第6位の経済規模を持つ英国が加われば、16%に上がる。
それだけではない。英国を受け入れることで、欧州との関係もより良い条件でパワーバランスを保てる。
対立関係にある米国と中国の橋渡しにもなる。過去の歴史認証でかみ合わない韓国とも、経済協力を糸口にして関係を保てる。
まさに今、日本政府の真価が問われる大一番である。