「温故創新」210322 N703 伊波喜一

サイバーで 研究センター 狙い撃ち コロナ拠点に 530万件            

 週末の雨で、寒さがぶり返した。どうやら、冬が舞い戻ってきたらしい。冬物を全て仕舞わなくて、良かった。 

 国立国際医療研究センターは、国内の新型コロナウイルス感染症対策の拠点である。

 その拠点が2020年に、530万件のサイバー攻撃を受けていたことが分かった。

 攻撃の大半は初歩的なもので、不正なサイトへ誘導するメールや、コンピューターウイルスを添付したものだった。 

 しかし、昨年後半からは「エモテット」と呼ばれる攻撃が目立つ。これは過去のメールを引用し、取引先や知人からの返信を装ったものだ。攻撃元は、中国やロシアが大半だった。

 昨年、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁がサイバー攻撃を受け、ワクチンに関する情報が盗み出される被害を受けたことは記憶に新しい。今後セキュリティ対策が、より厳重に行われることになるだろう。 

 今や政治・経済・軍事・宇宙開発に至るまで、サイバー攻撃の的にならない分野はない。

 米国、中国、ソ連のサイバー開発力に、日本は遠く及ばない。資金力と人材の投入に加え、長期ビジョンの有無が勝敗を決している。

 彼等大国の長期戦略と周到な準備、機会の創出と果敢な攻めから、日本は学ばなければならない。