激動の 転換期こそ 宗教の 持つ役割を 見直す今が
夜が涼しい。日中は蒸すが、夜半から明け方にかけて冷える。この寒暖差に油断して体を冷やすと、体調を崩す。
人類は人口と経済の「拡大・成長」「成熟」「定常化」というサイクルを繰り返してきた。
第1のサイクルは、5万年前に起きた「心のビッグバン」である。この時、洞窟壁画や縄文土器が現れた。
第2のサイクルは、紀元前5世紀に起きた「精神革命」である。この時、インドでは仏教、中国では儒教や老荘思想、ギリシャではソクラテス、プラトン、アリストテレスの哲学、中東では旧約思想が起こった。
第3のサイクルは、300~400年前に起きた「産業化社会」である。市場化・産業化・情報化・金融化が始まった。地球資源を食いつくし、人口が爆発的に増加した。
唯物的に社会が進むことと並行して、唯心的に思想や文化が起こるところが面白い。互いに補完して、バランスを取るかのようである。
物質的欲望には限りがない。際限なきエゴの追求の先には、断裂と差別が待ち構えている。その結果、混乱と分断が生じたのは、現代の様子を見れば分かろう。
このバランスシートとして哲学と宗教が生まれてきたのは、実に興味深い。精神の復興が叫ばれるのは、理由なきことではない。