「温故創新」210926 N891 伊波喜一

激動の 転換期こそ 宗教の 持つ役割を 見直す今が         

 夜が涼しい。日中は蒸すが、夜半から明け方にかけて冷える。この寒暖差に油断して体を冷やすと、体調を崩す。

 人類は人口と経済の「拡大・成長」「成熟」「定常化」というサイクルを繰り返してきた。

 第1のサイクルは、5万年前に起きた「心のビッグバン」である。この時、洞窟壁画や縄文土器が現れた。

 第2のサイクルは、紀元前5世紀に起きた「精神革命」である。この時、インドでは仏教、中国では儒教老荘思想ギリシャではソクラテスプラトンアリストテレスの哲学、中東では旧約思想が起こった。

 第3のサイクルは、300~400年前に起きた「産業化社会」である。市場化・産業化・情報化・金融化が始まった。地球資源を食いつくし、人口が爆発的に増加した。

 唯物的に社会が進むことと並行して、唯心的に思想や文化が起こるところが面白い。互いに補完して、バランスを取るかのようである。 

 物質的欲望には限りがない。際限なきエゴの追求の先には、断裂と差別が待ち構えている。その結果、混乱と分断が生じたのは、現代の様子を見れば分かろう。

 このバランスシートとして哲学と宗教が生まれてきたのは、実に興味深い。精神の復興が叫ばれるのは、理由なきことではない。