「温故創新」210801 N835 伊波喜一

対立と 危機の時代 乗り越えて 第3の道 焦らず地道に

  連日の五輪の熱戦に、テレビから目が離せない。実力伯仲の選手達が激突し、勝敗が決する。

 その僅かな差を埋めるために、選手達は自らを極限に追い込む。それは世界レベルを達成するための、無限の可能性への挑戦と言えるかも知れない。 

 現代は、2極化と宗教なき時代と言われる。米中対立の構図の中、日本は第3の道を歩まなくては生き残れない。

 米中は、どちらも覇権国家である。双方を繋ぐものは、政治体制や軍事への加担ではない。といって、これまでの経済的支援や関わりでは功を奏さない。 

 グローバリズムは、個人や家庭、社会にどれほどの幸せをもたらしただろうか。そこには「人はどう生きるのか」という思想が欠如している。かわりに手早く、容易に、心地よい答えを求めることだけが、関心の的となる。だから時間をかけ、汗して、悩んで解を得るのは、ある意味で流行らない。 

 宗教的精神は、その対局にある。解決までに時間がかかり、耳に痛い事を聞かなくてはならない。これほど、コスパの悪いものはない。でも、それが人生であり、人の営みである。

 一人の生き方が変われば波動し、社会に影響を与える。その方程式は国家にも、当てはまる。深い生き方を志向したい。