「温故創新」210601 N774 伊波喜一

水無月の 緑と水と 山入端に 月かかかるかな 災害無かれと         

 6月は水無月と呼ばれてきた。梅雨の本格化する時でもあり、川や谷の水かさが増す時期と重なる。

 古来、風物を愛でる日本人の心情は俳句や紀行に残されている。この大事な自然を守り次世代へ託していくことが、現世代の役目だと感じている。 

 台湾を巡る米中対立に、米国の元核戦略専門家が警鐘を鳴らしている。1958年の第2次台湾海峡危機の折り、台湾の金門島に砲撃を開始した中国軍に対し、米国は米艦隊を派遣した。

 その際、米国は中国本土への核攻撃を真剣に検討していた。核の先制使用の結果、台湾や沖縄が中国に攻撃されて消滅しても仕方なしと考えていた。

 一方、キューバ危機では米ソ首脳は武力衝突を行う意図はなかったにも関わらず、全面戦争に発展する真際にあったと証言している。 

 不信と憎悪、疑心暗鬼と差別が加わった時、人は正常な判断力を失う。戦争という異常事態においてはさらにそれらが増幅され、理性を押し流してしまう。 

 唯一の被爆国である日本は、原爆の悲惨さを体験している。被爆者やその家族は、辛酸をなめ尽くしてきて生きている。

 米国・中国・ソ連北朝鮮が愚かな核開発を止め、平和貢献していけるよう、日本は提言していくべきである。