「温故創新」210602 N775 伊波喜一

老化した 免疫細胞 働かず 細胞刺激で 薬効促し         

 朝晩の風が涼しい。明け方など寒いぐらいで、毛布などかけないでいると寝冷えしそうだ。コロナ感染に気をつけることは勿論だが、基礎体力を整えておくことは大事である。 

 京都大と先端医療研究センターが、免疫老化についてのマウス研究を発表した。

 加齢に伴い免疫老化が起こると、攻撃役の免疫細胞がうまく育たなくなることが分かった。実験では、若いマウスと高齢のマウスにがん細胞を移植した。すると成長途中のT細胞が、高齢マウスでは若いマウスの半分しかなかった。つまり、攻撃力が落ちていた。 

 そこで、高齢マウスに人間の細胞を投与して強烈な刺激を加えた。すると、体内のT細胞という未熟な免疫細胞が攻撃役のエフェクターT細胞に成長し、薬の効果が出た。

 4週間後の時点でがんの体積は、人の細胞を投与していない高齢マウスの6分の1に抑えられていた。 

 凄い発見である。食文化ではすでに、トマトなどアンチエイジングの食べ物が研究されている。

 老化を抑える成分を細胞に取り入れさせれば細胞が若返り、ガン化を防げるということにもなる。

 細胞といっても、要は体づくりである。健康な体は睡眠と運動、バランスのとれた食事から作られる。先人の知恵から学びたい。