「温故創新」210429 N741 伊波喜一

大規模の データ活用 がん患者 生存率の 向上目指し      

 週末にかけて、天候が崩れがちである。晴れたり降ったりと、変化が目まぐるしい。

 特に気温の上がり下がりは、体に影響する。体を冷やさないよう、衣食住の生活に気をつけてゆきたい。 

 国立がん研究センターは、2008年にがんと診断された人の10年後の生存率が59%だったと発表した。全国で専門的ながん治療を行っている病院の患者、23万8千人のデータから割り出した。 

 それによると、前立腺がん、乳がん、子宮内膜がんの生存率は高い。 がんの進行度別では、早期の1期に比べて他の部位に転移した4期の生存率が低かった。定期健診で早期発見に努め、早期に治療を開始すれば生存率が高くなる。 

 一方、生存率が低かったのは膵臓がん(6.5%)、小細胞肺がん(9.1%)、肝内胆管がん(10.9%)だった。傷みや症状が分かりにくいため、つい発見が遅れがちになる。 

 今や国民に1人はがんにかかる時代である。かつてのように怖い病気ではないが、悪化してからでは手遅れになる。

 また、術後の回復も重くなる。自身の健康を後回しにすると、回りを悲しませることになりかねない。

 健康診断は国民がよりよい生涯を送るための権利であると、考えたいものだ。