「温故創新」230301 N1186 伊波喜一

観光の 主力となるか 中国の 国力高し 声響かんか

 卒業式の季節になった。関係していた小・中学校4校に、祝電を送った。門出を契機とし、巣立っていくことを願わずにはいられない。

 海外から日本を訪れた観光客で多かったのが、中国人だ。声が大きくて賑やかなので、どこにいても目立つ。

 これは、ドゴール空港でも感じたことだ。彼等は団体客が多く、存在感があった。欧州や中南米では、アジア人に出会うことが少ない。日本人を見かけることも少ない。それだけに、彼等の存在が際立つ。

 今、日本では中国の政治力に対して、脅威と感じている人が多い。それに輪をかけるように、彼の国の軍事力が後押ししている。

 実際、GDPは世界第2位であるし、軍事力も米国に並ぼうとしている。さらに周辺国を巻き込んで、自国の勢力範囲を広げている。そのなりふり構わず突進する姿に、今の日本は完全に押されている。世界もまた、引きずられている。

 だが、バイタリティや開拓心を失ってしまっては終わりである。確かに相手に配慮し大人しく、回りに合わせようとするのは、日本人の良いところである。

 しかし、それだけでは世界に覇を唱えることは出来ない。叩かれても弾かれても、それを乗り越えてこそ、飛躍はある。外に一歩踏み出そうとするエネルギーを失えば、間違いなく国力は下がる。

 今、日本に求められるのは、その勇気と粘り強さではなかろうか。