「温故創新」230719 N1235 伊波喜一

プーチンの 軍事作戦 不具合か 協定拒否で 食料武器に  

 世界的に高温が続いている。東京は37℃で猛暑である。ギリシャでも42℃を記録している。これは、死者の出る危険な暑さである。 

 黒海を通じたウクライナからの食糧輸出協定に、ロシアが参加を停止した。その結果、ウクライナ産の農作物が輸出できなくなってくる。

 すでに世界のあちこちで、原材料と製品の高騰が見られる。ウクライナからの輸出はヒマワリ油世界1位、トウモロコシ同3位、小麦同5位と、世界屈指である。

 輸出先は北アフリカ、スペイン、中近東、中国、インドネシアなど、広範囲にわたる。エジプトではパンの値段が昨年の5倍となり、さらなる高騰が懸念されている。

 ロシアはロシア農業銀行を、国際銀行間通信協会(SWIFT)へ復帰させようとしている。協定履行を条件に、SWIFTの制裁緩和を目論んでいる。

 これは食料を人質にした、ウクライナ支援国への揺さぶりである。その実害を蒙るのは、自力で生産出来ない国や貧困諸国である。特に内乱や民族同士の争いから国力を削がれたアフリカ諸国などは、その影響をまともに受ける。放置できることではない。

 衣食住は生活の基本である。これを脅かすもの、制裁の道具とするものは、必ず我が身にその果を受けることを、歴史は証明している。ロシアの行く末を、歴史の証明として見つめてゆきたい。