「温故創新」211112 N938伊波喜一

捉われず 思いのままに 研究を 好奇心もち 日々新たにと              

 空気が乾燥していて心地よい。駅から歩くと、体がぽかぽかする。

 草花も向日性で、東の方に茎をのばしている。これからは、太陽が恋しくなる季節だ。

 IPPC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書で、温暖化による異常気象を指摘した。その根拠となる論文を書いたのが、今回ノーベル賞を受賞する真鍋淑郎氏である。

 その真鍋氏は日本の研究について、「好奇心に基づく研究が出来ているか」という問いを発している。

 日本の国立大学は運営交付金を削減され、「選択と集中」によって補助金獲得競争を強いられて疲弊している。組織のために計画書や報告書の作成に追われ、十分な研究時間が取れない。

 これでは興味・関心のある研究に辿りつく前に、疲弊してしまう。

 先進国の中で日本は博士課程進学率が落ちているが、この事と決して無縁ではなかろう。

 気をつけないと、手段であるはずの計画書作りが目的化してしまう。  

 そのためには「一先ずこれで大丈夫」という程度まで仕上げたら、先ずやってみる。やりながら、変えるところは変えていけばよい。

 同様に報告書も、整合性を持たせようとし過ぎないことだ。研究本来の目的は、辻褄合わせではないからだ。

 近視眼的な物の見方を変えて、ラフに物事を追究してゆきたい。