「温故創新」211014 N909 伊波喜一

風評に 左右されては 一大事 知見活かして 正しく判断     

 ここのところの雨で、草花が生き生きとしている。40年来の知人より、絵手紙をいただく。イガに包まれた栗と剝き身の栗がつやつやとしていて、秋の深まりを感じさせる。

 絵に添えて「実りの秋 今年も豊かな恵み ありがとう」とある。コロナの感染数がずっとこのまま減り、いつもの日常が戻ることを祈りたい。

 子宮頸がんを防ぐワクチンを、国がまた勧めている。8年前に公費負担で接種することになったが、副反応の訴えが相次いだため、積極的に勧めるのを止めていた。

 だが、この8年間に報告された国内外の研究から、国は「多様な症状(副反応)と接種との関連は、明らかになっていない」と判断した。   

 実際に、スウェーデンの女性約167万人を調べた研究では、接種した人は接種していない人に比べ、がんの発生率が63%下がった。 

 国内では年に1万1千人が子宮頸がんの診断を受け、これまでに2900人が亡くなっている。がんは気づかないうちに進行する。

 12歳から16歳までの間に3回定期接種すれば、命を長らえることが出来る。確かに、接種については不安に思うことがあるのは致し方ない。しかし、データは今後の道しるべとなる。玉石混淆の情報に振り回されることなく、活用したい。