「温故創新」240218 N1395伊波喜一

アメリカの 労働運動 蘇る 労働改善 生きる権利と

 桜が芽吹いている。どうも、開花の時期を間違えているようだ。

 アメリカでは労働運動が勢いづいている。主にドライバー、医療従事者、ハリウッドの脚本家、自動車向上労働者など、様々な労働者が組合を結成し、ストを行った。

 民主党は過去10年間に、組合に優しい経済政策を取ってきた。インフラやクリーンエネルギー、製造業に2兆ドル(300兆円)程度の連邦予算を支出する。ただし、労働者の権利と賃上げは求めるが、会社全体の生き残りには無頓着という古いタイプの組合には、支持が広がっていない。

 07~09年の金融危機後の大不況とコロナ下で成人した若い世代では、組合を結成することに好意的である。労働者の権利を守ることが、社会の成長に繋がるという発想をしている。

 一方で、組合が事業のコストを押し上げ、雇用の機会を奪っているとする見方もある。最高裁判所は18年、公共部門の非組合員に団体交渉のコストを負担させる法を、違憲とした。また23年、ストを行った労働者に対して、雇用主は損害賠償の訴訟を起こすことが出来るという意見を出した。

 日本でもバブル崩壊後、派遣労働者の派遣切りが深刻化した。組合の後ろ盾のない一個人では、会社に権利を主張することはハードルが高い。庶民の声の届かない会社は、社会の灯台には成り得ない。