「温故創新」240106 N1365 伊波喜一

多次元の 視野と交流 我が国の 文化・芸術 非核・不戦と    

 能登半島地震に、ドジャースや大谷選手から支援の声が上がっている。自らの被災体験は、被災地への心強いメッセージとなろう。

 日本が国内の派閥争いや利権獲得に血眼になっている間に、世界との距離は埋められないぐらい広がってしまった。世界に占める日本の国内総生産(GDP)は、94年の18%をピークに、現在3%近くまで落ち込んでいる。

 一方、日本を除くアジアのGDPは、94年の5%から、現在25%を超えている。これまで日本は外貨で稼いできたが、主力の自動車産業もEV化の波に乗り切れていない。個々の技術力はあるものの、国家戦略として総合力で勝負することが出来ていない。それを政治の未熟さに責任転嫁するだけでは、物事は解決しない。

 今後の世界戦略の核となるのは、文化・芸術と教育への投資であることは論を待たない。リベラルアーツの価値を認識し、多層的に思考できる人材群を育成していくことだ。次に防災・減災と農業の維持は、国の存在そのものを支えてゆく。

 最後に非核・不戦の継続だ。日本が80年近くもアセアン諸国や、中東やアフリカ諸国と関係を損ねずにこれたのは、戦を仕掛けずにきたからだ。この平和の持つ意味合いを深く考えもせず暴発・暴走しては、元も子もない。政治を監視する確かな目と、正邪を叫びきる声を出し惜しみしては、将来に禍根を残すことになろう。