「温故創新」230925 N1300伊波喜一

急速に 深刻化する 不動産 中国不況 外交大事    

 この1・2日で、急に冷え込んでいる。掛布団が心地良く感じる。 

 中国の経済に、暗雲が垂れ込めている。「一帯一路」構想は積極投資をしたものの、その成果は危うい。例えば、マレーシアのタワーマンション「碧桂園」開発も、70万人の住民を呼び込む予定が、現在9千人しか住んでいない。

 外国企業も、中国国内から逃げ出している。アップルはiPhoneの生産拠点を、中国から分散した。主要製品のサプライチェーンを巡るリスクを、近隣諸国へと回避している。

 これらの事が起きるのは、中国でのビジネス慣行が、政府の一言でコロリと変わるからである。ゼロコロナ政策では、厳しい移動制限やロックダウンが設けられた。企業は中国経済の都合で、経済活動が止められた。そのルールが不透明なだけに、企業の判断を迷わす。

 何事もビジネス・コンフィデンス(仕事上の自信)が持てなければ、新たな投資をしようとは思わない。そこへさらに、米国の半導体輸出規制がかかった。それにより、中国企業と先端半導体を用いたビジネスが成り立たなくなった。

 経済活動を進めるに当たっては、その根幹となる政治体制への信頼がなければ、末長くパートナーを組むわけにはいかない。だが、中国経済が上手くいかなくなると、その影響は世界に及ぶ。同じ土俵に立って物事を進められるよう、日本は積極的に外交を進める時である。