「温故創新」230128 N1168伊波喜一

中国の 経済失速 不動産 バブルの闇の 深さ測れず

 最大級の寒波は、高速道路で24時間以上もトラックを立ち往生させた。ここ小平でも、じょうろに溜まっていた水が凍っている。寒さが厳しい。

 中国の人口減少が、現実に影を落とし始めている。これまで右肩上がりに経済成長を遂げてきたが、翳りが出てきた。少子化に加えて、零コロナ政策の失策がボディブローのように効いてきている。

 インドに抜かれるとは言え、彼の国の人口は日本の10倍である。日本とは規模の面でも、国民に与える影響が大きい。何せ膨大な人口である。その胃袋を満たすこと自体、至難である。中国共産党は、その事を常に考えて舵取りしなければならない。

 元々、中国は農本主義を建前にしている。しかし、実際は金融資本主義を取り入れ、金融バブルで不動産投資に注ぎ込んだ。巨大な財政を背景に各国に投資し、軍拡を加速させた。強い中国、豊かな中国を現出しようと試みたが、かえってそれが裏目に出ている。

 今後、中国は高齢化の帯と人口減少の間で、様々な試練を乗り越えなくてはならない。高齢者の年金をどうするのか、健康保険制度のような医療制度をどう確立させていくのか、居住の自由を保証するのか。どれ一つとっても、簡単には解決できない課題ばかりである。

 中国と力技で争う事ほど、無益なことはない。日本は少子高齢化の先達として、彼の国のヒントになることが多々あるのだ。