「温故創新」231215 N1348 伊波喜一

少子化と 多子社会とが 押し寄せる 無縁遺骨の 増加必然          

 北陸は大雪に見舞われている。雪かきや雪下ろしの日常は、きつい。

 今年もすでに、12枚の喪中葉書が届いている。若い方だと60代前半で亡くなっている。最も多いのが80代で、70代が続く。

 筆者は50代で母を、60代で父を見送ったが、兄弟や家族(とりわけ上さん)の協力が無ければ、とても出来なかった。

 今、日本は世界でも断トツの少子高齢化社会となっている。80:50問題は、確実に90:60問題へと移行する。

 国勢調査によると、2042年には65歳以上の人口がピークを迎える。その数3935万人にのぼり、その4割以上が1人暮らし(独居)となる。4割というと、1574万にもなる。他人ごとではない。

 22年の出生数が77万人なので、その倍以上の早さで人が亡くなる。ところが、少子位高齢化で、多死社会の準備は全く整っていない。 

 葬儀扶助とは身寄りが無かったり、遺族が葬祭費を支出出来ない場合、行政が費用を負担するしくみである。総裁扶助費は1件当たり21万円で、支出総額は国と自治体の合計で110億円にのぼる。

 これだけではない。遺品整理やその他に要する費用や時間は、膨大なものとなる。それに加えて、空き家の家仕舞いや墓仕舞いなど高齢者の終活には、時間と体力とお金がかかる。自助努力に任せるだけでなく、行政の力活かしながら、地域社会のセーフティーネットをどう築いていくか、暗中模索は始まったばかりである。