「温故創新」230921 N1296伊波喜一

年取りて 情報量に 追いつかず 幸社会 人に優しく   

 昨晩の豪雨で公園の砂が流されて、駐車場の前に溜まっている。  

 今日21日は、30回目の「世界アルツハイマーデー」である。今年6月には、「認知症基本法」が成立した。認知症の人達が、尊厳と希望を持って暮らせる社会を目指している。

 65歳以上の認知症の人は、現在600万人超である。2050年には、1000万人に達すると見込まれている。記憶力や判断力の低下、時間や場所が分からなくなる見当識障害、料理などの段取りが上手く出来なくなるなど、日常生活に与える影響は大きい。

 しかし考えてみれば、高齢化社会になって認知機能が衰えるのは、自然な成り行きである。現代のような情報洪水の中で生きるのは、高齢者にとりかなりしんどいことである。

 高齢者を齢でいさせるには、「成す」を求めすぎないことである。確かに何かをする、何かが出来ることは、素晴らしいことである。

 その反面、高齢者がそこに居るだけで、場が和むことがある。その人がそこに居る(存在する)だけで、回りが癒される。たとえかつてのような鮮明な記憶力は落ちようとも、身体は動かなくなろうとも、それがかえってその人の持ち味となっていく。そう考えると、高齢者をお荷物のように考えることが、いかに底が浅いか分かろう。

 高齢者を大切に出来る社会は、違いを受け留められる、互いに優しい社会となろう。