「温故創新」240108 N1366 伊波喜一

気候危機 現状型の 成長で 乗りこえられるか 欲望抑え    

 能登半島の救援が、道路の寸断、空港や港湾の亀裂や変形などで、思うように進んでいない。自衛隊も、支援物資を担いで搬入している。

 昨年もそうだったが、世界的規模で地震や火災、旱魃や洪水などが頻発している。乱開発のツケは、生物界全域に影響を与えている。 SDGsの取り組みが言われた当初は、まさかここまで地球が危機に瀕しているとは、正直思っていなかった。

 実際、私達の生活は生産・消費し、捨てるという流れになっている。日々の家庭生活の中で出されるプラごみの量は大量だが、減らすことが出来ない。それ以外にも、スクラップアンドビルドで、大量の産業ゴミが出てくる。これらのやり方が限界に来ているのは、自明だ。 

 これからは、国内総生産(GDP)を追い求めるあり方から、生活の質の向上を目指す(QLI)へと転換せざるを得ない。特に、土地や水、天然資源などは、共同体によって管理されなければならない。

 今まで市場経済という名の元に、ごく一部の者が私有化と商品化を推し進めてきた。その結果、富の寡占がまかり通り、環境破壊や搾取が蓄積され続けた。結果、求めてきた幸せから遠ざかってゆく。

 市場主義と公共の精神とは、両極にあると捉えられてきた。しかし、互いに補えば、両者は決して相容れないものではない。むしろ今後は、公共的な枠組みを築きながら、市場原理を尊重する方向へと、向かわざるを得ないだろう。