「温故創新」221002 N1117 伊波喜一

欲望に 歯止めをかけて 足るを知る 身近なところに SDGs            

 日中の陽射しは強いが、朝晩は寒いぐらいである。今週は週半ばから、20℃を切るとのことだ。衣替えの準備を急がねば。

 大量生産・消費・廃棄を象徴するのが、ファッションである。毎週新作品が出るが、値崩れを起こさないよう、売れ残ったものは破棄される。まさに、勿体ないそのものである。

 SDGsの考え方の根本には、相互扶助がある。これを突きつめると、倫理観を避けて通れない。例えば貴金属には希少価値があるが、その生産過程は悲惨であり、労働と人権と希望と思考を搾取している。

 全うなのは、労働の対価として一定の生活水準を補償することである。そこから経済が循環し、富の分配が行われる。ごく一部の人のみに富が集中して、多数が飢える世の中のあり方はおかしい。こんな当たり前のことが、分からなくなっているのが現代の病根である。

 2004年に兄弟で立ち上げた「THE INOUE BROTHERS」が目指すのは、エシカル(倫理的な)ファッションである。

 生産の過程で地球環境に大きな負荷をかけず、生産者に不当な労働を強いないことを、2人は企業倫理としている。それは、取りも直さず相互扶助であり、作るものの責任であると同時に、使うものの責任でもある。

 生産者から着る者まで全ての人が笑顔になることを目指し、兄弟はボリビアのアルパカ繊維でニットウェアを作り、世界に発信している。