「温故創新」240104 N1363 伊波喜一

2機同時 なぜ滑走路に 不可解な 過密ダイヤの 解消必須         

 朝方の雨も止み、陽が射している。能登の気温はマイナスで、県内364箇所の避難所に3万4千人が身を寄せている。余震も3日間で521回を記録し、水や食料と暖房の欠如が深刻である。

 2日の飛行機事故で、国交省管制官の両機との交信記録を公開した。それによると、航空管制官はJAL516機に着陸許可を出した後、海上保安庁JA722A機に「滑走路につながる誘導路の停止位置まで地上走行するよう」指示している。

 ところが、海保機機長は「滑走路への侵入許可を得た」と話しているという。管制官が指示を間違えたか、保安機機長が指示を聞き違えたか、現時点では真偽は判然としない。

 羽田空港は年間6千万人が利用する。1日当たり、16万4千人強である。発着する航空機は1日1200機である。16時間の利用時間とすると、1時間あたり75機になる。つまり、1分間に1.25機の間隔で管制をしていく計算である。

 近年はデジタル化が進みつつあるが、過密ダイヤの中、人為ミスをカバーするのは最終的に人と人とのコミュニケーションによる。しかし、今回このような事故が起きたからには、他空港との連携や発着数を減らすなど、巨大空港の抱える過密スケジュールを減らさなくては、抜本的な解決の一歩とならない。

 度を越した利便性の追及は、命取りになることを肝に銘じたい。