「温故創新」211106 N932 伊波喜一

 コロナ下で がん検診が 減少し 発見遅れて 重症化する           

 小平養護学校沿いの道を左に見ながら、通勤を急ぐ。道路際のイチョウ並木から、銀杏の実が落ちてくる。拾うより落ちてくる実の数が多く、路には踏みつぶされた痕が白く残っている。

 日本対がん協会は4日、コロナ下でがん検診受診が減ったと報告した。2020年にがんと診断された人は8万660件で、前年より9.2%減った。

 主な5種の胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんでは、約4万5千人の診断が遅れたと推計されている。調査は日本対がん協会のほか、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会の3学会が共同で調査した。

 日本対がん協会のまとめによると、20年のがん検診の受診者は前年に比べて約3割減っている。

 今回の調査では早期で見つかるケースの減少が目立ち、胃がんの1期は17・4%だった。がんの早期は無症状であることが多く、それだけ早期発見が遅れたと言える。

 コロナワクチン接種の見通しが立たない頃は感染を怖がり、がん検診や定期健診、あるいは基礎疾患を持つ人達が、健診を避ける傾向が強かった。

 しかし未病の時こそ、健診の大切さが生きる。健康保険を活用して、重病化しない内に早期発見することを心がけたい。