「温故創新」210817 N851 伊波喜一

妊娠と ワクチン接種 びっくりで 怪情報に 惑わされるな          

 降り続いた雨で、気温がぐっと下がった。長袖を着ていても、寒いぐらいだ。熱中症だけでなく、夏風邪にも気をつけてゆきたい。 

 ネット上では「コロナワクチンで不妊になる」「妊娠中に接種すると、胎児に影響が出る」など、接種の危険性を訴える情報が数多流れている。これに対し、日本産婦人科感染症学会がQ&Aをまとめた。

 始めに不妊になるの根拠では、胎盤を形成するたんぱく質新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質が似ているので、接種で出来た抗体が胎盤を攻撃するとしている。

 だが、2つは似ておらず、攻撃反応も見当たらない。 

 妊娠中の悪影響についても、米英の調査では接種した妊婦と接種していない妊婦の流産率に変化はなかった。 

 接種後に妊娠した827人についても、流産や早産、胎児の発育遅延や先天奇形、新生児死亡は、接種していない妊婦と発生頻度が変わらなかった。 

 欧米の研究の優れているところは、データを元に知見を広めることだ。サンプリングを早く多く集め、分析し、そのデータを公表する。

 公表という衆目に晒すことで、データの誤謬を洗い出し、より正確な情報へと精度を高めてゆく。揉まれることで、信憑性が増す。結果として、この積み重ねが知見の信頼性へとつながっていった。

 知見の裾野は限りなく深く、広いのだ。