「温故創新」210816 N850 伊波喜一

限りない 利益求め あくせくと 発想変えて 自他の幸福         

 明石から「たこせんべい」が届いた。贈ってくださった懐かしい方の頼りも、添えられていた。コロナ下で自粛生活を送りながら、時折り拙著を読んでくださっているとのこと。感謝である。

 その方のためにも書き続けていこうと、気持ちを新たにしている。 

 経済学では長い間、効率性と公平性は二律背反(トレードオフ)の関係にあると言われてきた。

 コスパに象徴されるように、限られた資源(物・人・時間)を活用して、最大限の価値を生むのが効率性。その反対に平等に分け与えることが、公平性。

 グローバリズムは効率性を突き詰めたものだが、結果的に一部の勝者が多くの敗者を置き去りにしている。 

 貧困国に教育や福祉、医療を支援することは、公平性の実践である。そうすることが個人の力を引き出し、新しい仕事を生み出していく。

 また、教育による能力開発は男女の尊厳を高め、テロや内戦を乗り越える大きな財産となる。結果として、一国が安定すればそれが周りの国や地域に伝わり、平和を現出する。

 人はコスパだけで動くものではない。人には感情やモチベーションがある。それが人の思考や行動を左右する。

 何のための誰のための経世済民なのか、発想を変えていく必要があるのではなかろうか。