「温故創新」201015 N563 伊波喜一

3千兆 損失多し コロナ後の 世界経済 成長悪化と                 

 窓外から、湿り気を帯びた空気が流れ込んでくる。今週末は冷え込むとの予報だ。昨日、北海道では初冠雪が見られた。 

  国際通貨基金IMF)の見通しによると、2020年の世界経済成長率はマイナス4.4%となった。コロナ感染拡大の影響を受けた先進国と、中国の景気悪化に歯止めがかかったことが大きい。

 ただし、回復への道のりは厳しいとしている。 

 IMFの試算によると、世界経済の損失は25年までに3千兆円に達する見込みだ。

 25年までの成長率は3.5%程度で、回復は鈍い。中期の成長低迷は、債務と貧困の増大、格差拡大を伴う。 

 3千兆円というのは途方もない金額である。単純計算でも、一人当たり40万円の損失になる。

 日本国民全体では40兆円のマイナスである。先進国ではまだ何とかなる金額かも知れないが、発展途上国ではもはや手の施しようがない金額である。 

 世界の富のほとんどは、僅か1%の大富豪が占めている。資本力や資源のない国は、いつまで経っても先進国になれない。

 資本や資源はあっても、それを活かす教育をしていかなければ、宝の持ち腐れとなる。世界全体で効果的に活用し、共に伸びていくという発想が求められている。