「温故創新」200511 N433 伊波喜一

神からの 解放生んだ ペスト禍の 災い転じて 幸いとなす

 昨夜の雨が跡形もなく消えて、今日は朝から陽が照っている。予報では30度を超えるとかで、熱中症が心配される。 

  世界三大パンデミックの一つペストは、モンゴル帝国誕生に起因する。

 モンゴルによる長征で東アジアとヨーロッパ、インドが結ばれ、グローバル化が進んだ。その人の移動とともに病原菌も拡大し、パンデミックを引き起こした。 

 このパンデミックでは人口の三分の一以上、2~3千万人が亡くなったといわれる。ヨーロッパは壊滅的な被害を受ける。教会の権威が崩れ、中世が終焉する。

 結果として、ルネサンスの扉が開かれた。 今回のコロナパンデミックは、覇権主義核兵器保有、南北格差、人種差別、ナショナリズム、難民排除などを問わず、世界全体で協力せざるを得ない。

 現行の政治・経済・文化体制には枠がある。が、コロナは一国や一民族、一体制だけで物事を進めることは出来ないことを、人類に知らしめた。 

 人は苦難に直面した時に、支えてくれる人がいれば乗り切れる。未曽有の危機に直面している今こそ、外に目を向けるチャンスである。

 原理原則を大切にしながら、横の連帯を図っていく。そこに人間主義の新たな復興があるように感じられる。