「温故創新」210815 N849 伊波喜一

海外で 販売進む 日本菓子 輸出割高 現地生産       

 線状降水帯の影響で、九州から東北の広い範囲で記録的な大雨が降っている。1カ月分の雨量を1日で降り尽くす線状降水は、スコールのようだ。気候変動を肌身で感じる。 

 「ベビースターラーメン」や「ハイチュウ」など日本でなじみの菓子を、現地生産する流れが進んでいる。これらの人気商品は、現地でも需要が多い。

 ところが、輸出するとなるとどうしても販売価格が高くなる。そのため、購入する人達は在住日本人や富裕層が多い。そこで現地生産に切り替え、より広く現地の人に食べてもらうことにした。 

 マレーシアではイスラム教徒が多いため、「ハラル」認証に対応している。また現地の嗜好に合わせて、甘みを控え目にしている。 

 実際、海外で日本製の菓子を求めようとすると、かなりの値段になる。現地生産にすることで、値段を抑えられる。それに伴って現地雇用も進む。

 何といっても現地の人が日本の味に親しむことで、日本に親近感を持つようになる。 

 コロナ下の五輪では、海外の人達が宿舎から街に出て、身近にある日本の食べ物を口にする機会がなかった。そんな中、宿舎で口にした日本の菓子が好評だったと言う。

 彼等が帰国して日本を思い出す一コマになったのであれば、嬉しい。