「温故創新」220614 N1057 伊波喜一

円売って ドル買い走る 投資家の 円急落し 百均潰れん     

 朝から寒い一日である。ワイシャツだけでは寒く、上着が必要である。寒暖差に気をつけないと、風邪にやられてしまう。

 コロナ下で中小企業は2年半近く、営々と努力を続けてきた。そこに、この円安である。1998年以降、約23年8カ月ぶりに円安水準となった。

 米国は物価高が収まらず、FRBが利上げを急ぐとの情報が飛び交った。その情報に、円を売って金利の高いドルを買う動きが加速した。23年前と、同じ状況である。

 当時は「これで輸出が増え、その外需のお陰で内需が潤う」とのコメントが政府から出された。ところが、産業構造の抜本的改革が遅れた日本は国際競争力が育たず、海外に後れをとった。

 結果として、原材料を初期程度に加工して販売する産業が残り続けた。高度医療や科学技術、航空・宇宙産業は、世界との格差が開く一方となった。デジタル化など、その最たるものの一つである。

 一方の米国は、諸物価高騰を抑えるために利上げをする。ウクライナ情勢の影響はありつつも、旺盛な購買欲は彼我の違いを感じざるを得ない。社会全体を覆う意欲の膜が、日米では違う。

 いずこの国も、世界と繋がらずに生きていくことは出来ない。何のために、誰のために投資合戦を繰り返すのか、先進国は再考すべきではなかろうか。