「温故創新」240101 N1362 伊波喜一

天空に 雲吹き払われて 悠然と 白雪の富士 堂々たる様         

 2024年元旦の朝は風が強い。雲が吹き飛ばされて、富士山が雪の冠を頂いている。その悠然たる威容に、圧倒される思いだ。

 昨年は色んな事があった。悲喜こもごもの人生模様の中で、戦争や分断、自然災害や飢餓が治まることを願うのは、庶民の自然な感情だ。

 学園講堂で行われた新年勤行会には、娘と3人で参加した。会に先立ち、世界で活躍する青年達の生き生きとした様子が紹介された。青年達の表情は、暗い世相と事件の多い中で希望の光を灯してくれる。やはり、未来世代にどれだけエネルギーとお金をかけられるかに、これからの未来がかかっていることを痛感した。

 世界で起きている紛争や憎悪の連鎖をどう断ち切っていくか、大人達の責任は重い。政治や経済、エンターテインメント、教育、介護などいたるところで、常軌を逸した大人の姿が映し出されている。

 倫理観の欠如は、若者の心を疲弊させる。その最たるものが戦争である。国の最高権力者によるつまらない感情や見栄から引き起こされた紛争は、若者の教育の機会を奪い、未来を閉ざす。その負債は人々の心に深い痕跡を残し、復興の足枷となる。今年こそは、その戦争を止めることが、一番の良薬となることを確信したい。

 元旦も暮れようとする午後4時過ぎに、能登半島地震が起きた。津波の発生と火災、地盤の割れや建物の倒壊が夜半にかかり、被害を増幅させた。復興に向け、筆者の出来る限りの支援をしてゆきたい。