「温故創新」210227 N680 伊波喜一

生き死には 人の世の常 嘆くまい 過去を思いつ 前向き歩む        

 またたく間に、2月が過ぎていった。

 家族内でも、色々と変化があった。国内外の政治・経済状況も不安定だ。3月から4月にかけて、様々に変化がありそうである。 

 来たる3月は、東日本大震災から10年の節目となる。

 破壊と死、喪失と無常を抱えて生きている人達が、まだまだ多くいる。町の復興や環境整備は進んできたが、心の復興は道半ばである。

 特に肉親や知人と生き別れになった場合、心の整理がつかない。時が解決すると言っても、人様々であるに違いない。 

 ただし、この事だけは言える。それは、故人が生き切った生の証は、何ものも消し去ることが出来ないという事実だ。

 その人の言動や面影を偲び励まされるのは、故人が精一杯生を生き抜いたからである。その生き方に感応して、残された人達も生を大切にしようと思う。 

 もしかりに、私達が過去に引きずられてしまったなら、故人はそれこそ残念に思うだろう。

 だから、今は現実が辛くても前を向いて歩む。その歩みの中で、自分の心と折り合いをつけられる時が必ず来る。 

 先達は「希望がなければ 自ら希望を創り出せばいい」と言った。

 自発能動のこの心である限り、復興は必ず出来る。また成し遂げなければならない。