「温故創新」231128 N1333 伊波喜一

対立の 溝深めずに まず対話 小さな合意 継続しつつ          

 近くの畑に柿がたわわに実っている。自然の恵みは有り難いものだ。

 ロシア・ウクライナ戦争も、イスラエルパレスチナ戦争も、解決の糸口が見えてこない。互いの感情がぶつかり合う状態では、いつ第3次大戦に発展してもおかしくない。

 歴史は繰り返している。歴史を過去の出来事として眺めるのか、未来への教訓として生かすのかで、日本の進路は変わってくる。果たして、当時の人達は危機に際してどのように考え、対処したのか。成功例だけでなく、失敗例から私達は何を汲み取るべきか、歴史は格好の教材となる。

 もう1つは、歴史を自国の視点からだけでなく、相手国の視点から見ることである。かつての韓国と日本は、被支配と支配の関係にあった。どれだけ苗字改正を正当化しても、民族の尊厳を尊重して対応していかない限り、納得することなどない。

 このような場合、韓国と日本で共通認識に立った歴史書を作るのには、相当の困難が伴う。互いの解釈の違いを乗りこえ、擦り合わせなければ、共通理解の緒につくことは出来ない。1つの主語で語るまでには、相互不信を乗りこえて粘り強く検証していかなくてはならない。

 歴史において、公平、詳細、正確さは必須の条件となる。多難な世界情勢の中で、どこか遠くに平和があるのではない。地味で地道で粘り強い対話以外に、眼前の閉塞を打ち破ることは出来ない。