「温故創新」220318 N1015伊波喜一

対立と 分断の国 新党首 負の共感から 未来へ向けて   

 夜半の雨で、サクランボの花びらが路上に張り付いている。一夜明けた今日は、朝から寒い。仕舞いこもうとしたコートを着る。

 韓国大統領に尹錫悦(ユンソクユル)氏が当選した。政権が5年ぶりに、進歩(革新)から保守に代わる。得票差0.73㌽の僅差での勝利だった。

 今回、文(ムン)政権のジェンダー平等に、「逆差別だ」と反対した20代の男性達の6割近くの票が集まった。反対に女性の6割近くが、進歩系の李(イ)氏に投票した。

 韓国社会は家父長制的な伝統が、社会の成り立ちに大きく影響を与えている。その分、女性の社会進出に大きな壁となった。

 しかし、男性の徴兵制度に与えられていた公務員の加算制度に違憲判決が出て、1999年に廃止された。日本でも「男女雇用均等法」が出来て、男女間の差を解消しようと試みている。

 その頃から「イクメン」が当たり前という空気が、世の中に広まってきた。これまで、女性に押し付けてきた育児や家事を、互いに協力し分担することは、とても大事な事であろう。だが、権利として互いの主張を尖らせると、その行く先に翳りを感じてしまう。

 韓国は今、男女間の待遇をめぐり、国内で揉めている。世代間でもこの議論が続くと、殺伐とした社会にならないか案じられる。日本も、韓国を他山の石とすべきであろう。