「温故創新」201223 N617 伊波喜一

復旧と 似ている言葉 復興の 決意固めん 自助の心を           

 雨が降らず、晴天続きである。お陰で日中は暖かい。ただ、乾燥が激しい。コロナとインフルエンザ予防からも、一雨ほしいところだ。

 東日本大震災から、まもなく10年を迎える。

 三陸縦貫自動車道や防潮堤、災害公営住宅などハード面での整備に、国は積極的に財政支援した。他にも、水産業復興特区や仙台空港の民営化、医学部の新設など、必要に応じた措置を国は支援してきた。 

 その旗振り役の宮城県知事 村井嘉浩氏は、残された課題をソフト面の支援としている。

 家族や友人、家や地域を失った被災者たちの心の喪失感は、そう簡単に埋まるものではない。新しいコミュニティでの人間関係づくりは、一朝一夕にはいかない。雇用の創出は難しく、子ども達の不登校率も高止まりしている。

 ここ数年は世界中で災害が多発しており、復興予算にも陰りが見えている。教育や福祉、防災や医療など、公助・共助なくして復興は成しえない。

 しかし、制度や施設などの環境をいくら整えても、それを活かすのは人である。必ず立ち上がり復興してみせる、という強い意志をどこまで持ち続けられるかだ。 

 取りも直さずそのことは、今、私達日本人が直面している課題にほかならない。