「温故創新」210414 N726 伊波喜一

飢餓のない 世界築かん 食料の 確保と供給 平和への道  

 公園の新緑が風に揺れている。午後から崩れそうな空模様と対象を成して、薄い緑が美しい。 

 世界では慢性的飢餓を訴えている人達が、9人に1人の割合でいる。

 国連WFP(世界食糧計画)は、毎年80カ国以上で1億人を超える人に食料を届けている。その理念と活動が認められ、WFPは2020年にノーベル平和賞を受賞した。 

 今世界では紛争や気候変動、貧困、災害、コロナなど困難な課題が絡み合い、約7億人もの人が飢餓に苦しんでいる。

 急激に飢餓状態に陥る急性食料不安の人は、2億7千万人いる。食料と水の確保は生命維持に直結するだけに、紛争に発展しかねない。 

 実際、世界には全ての人をまかなえるだけの食料がある。卑近な例でいえば、日本の食品ロスだけで年間612万トンもある。世界中の先進国の食品ロスを無くすだけで、慢性的飢餓状態を緩和できる。 

 食料の供給に加え、WFPでは学校給食支援も行っている。貧困国家では子どもは労働力と見なされ、学校に通わせてもらえない。

 特に女子の教育普及率は低い。安定して学校給食を提供することで、子どもが学び、何よりも将来に夢を抱くことが出来る。 

 WFP人道支援に、日本も力を入れてゆきたい。日本のように主義主張に偏らず、地道に国際貢献する方法は受け入れられやすいのだ。