「温故創新」231021 N1319 伊波喜一

善し悪しに 一喜一憂 人頼み 因果の理法 内に求めん       

 強風が吹いていて、雲の流れが早い。上空は風が逆巻いている。 「ローカス・オブ・コントロール統制の所在)」という言葉がある。あらゆる行動や評価の原因は、内(自己)に求めるのか外(他者)に求めるのかによって、その後の人生が変わってくる。

 責任転嫁しても、原因が取り除かれるわけではないし、良好な状況になるわけでもない。原因を自身の内と外のどこに求めるかで、結果は明らかに異なってくる。

 これまで自然は、人間社会にとって脅威だった。予測不可能で、莫大な被害をもたらした。科学的合理性は、自然をコントロールできると錯覚させた。数値目標で置き換えられると、考えてきた。

 しかし実際には、全くその通りになっていない。昨今の世界的な自然災害を体感すると、そのことを受け入れざるを得ないだろう。

 各地で頻発する紛争や戦争も、この自然災害と密接に関連している。一国や一つの思想、一つの経済圏だけでは、地球環境を維持できないところまで来ている。そして、一旦紛争が起これば、その解決には膨大な時間とエネルギーが要る。復興には、半世紀以上もかかる。

 資本主義的から派生したグローバリズムの発想は、個の存在を尊重しない。唯我独尊で事を進めてきたが、その傾向はさらに増してゆく。

 自己の論理に合わせようする発想は、不寛容を増大させ、不幸の連鎖が止まらない。自然災害は、その愚かさを人類に示している。